恋に臆病な私と恋を知らなかった御曹司の距離が、ゼロになるまで
 充輝の指で刺激され続けて気持ち良さはあるものの、どこか物足りなさもある。

 だけど、その先を口にするのはやはり勇気がいるのか言葉には出来ず、

「あっ、……やッ、……んん、」

 ひたすら与えられる快感に嬌声を上げるだけ。

 勿論、そんな来海の反応を見るのも充輝にとっては幸せなことだけど、欲を言えば、指では無くて自身のモノで彼女を気持ち良くさせたいと思っている。

 けれど、自分本位になって来海の気持ちを置き去りにはしたくなくて、来海のペースを大切にし、出来れば来海から求められたいという思いがあった。

 すると、そんな充輝の思いを感じ取ったかのように来海は、

「……っ、もっと……して」

 そんな言葉を呟くように口にした。

「…………!」

 突然の来海のその言葉に充輝は一瞬目を丸くする。

 まさか来海からそんな風に言われるとは思わなかったのだろう。

 驚いた彼の指は動きが止まる。

 そんな充輝に気付いた来海もまた、自身の発言に驚きを隠せずにいた。

 けれど、今更言葉を取り消すことは出来ないし、もっとして欲しいという思いも嘘では無いその気持ちを分かってもらいたい来海は、

「……好き……。充輝のことが、好きなの……だから、お願い……っ、」

 して欲しいことの全てを口には出来なかったものの、充輝のことが好きで自分も同じ気持ちであることと、全てを受け入れる覚悟があることを伝えたのだ。

「――悪いけど、もう、止まれなくなるから」

 嬉しくて、幸せな気持ちになった充輝はそう前置きをすると来海の膣内(ナカ)から指を引き抜いた。

「……ッ」

 そして、服を脱ぎ捨てるとベッド脇のチェストから避妊具を取り出した充輝の姿を前にした来海の鼓動は一際ドキドキと大きな音を立てていた。
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