旦那様、そろそろ離縁のご準備を〜契約結婚三年目、満了日を目前にして旦那様の様子がどこか変です〜
ソフィア・ウィンダム、二十三歳。
名門ハリントン伯爵家の長女として生を受けた彼女は、優しい両親と兄たちに可愛がられ、美しく聡明な女性に成長した。
その後、ウィンダム家の跡取りと結婚。
今では、誰からも敬愛される侯爵夫人として周りから高い評価を受けている。
しかし、三年前までは全く違っていた。
三年前――ソフィアの社交界における評判は、決して芳しいものではなかった。
名門女学園を首席で卒業したソフィアは、知性と品位、教養を兼ね備えた才女として知られていたが、反面、彼女は申し込まれる縁談を全て断っていたからである。
そのため二十歳を迎えたころには、「我が儘」「生意気」「売れ残り」などと陰口を叩かれるようになっていた。
とは言え本人は、恋愛にも結婚にも興味がなかったため、全く気にしていなかった。
けれど両親はそういうわけにもいかなかったようで、ソフィアは毎日のように夜会に連れ出された。
彼女はそんな日々に辟易していた。
だがある日、レイモンドと運命の出会いを果たしたのである。