咲教授の数学推理ミステリー

事件状況③



翌日の授業が終わっても、また俺達は駆り出される。



数学科の加藤に課題手伝えと睨まれた。



だがお前は元々、俺をまがい物扱いしたから手伝ってやらない。


そう回れ右をして。




次の舞台は、事件に関わったのではないかと言われてる。



ピリオドの第二拠点「エンド」を訪れる。



訪れると言っても、ほぼ山近く。



そこに、おしゃれな大きな教会がぽつんとあるだけの山。



その下にミニチュアのように並ぶ、こなれた街があるだけで。



「あの日は……確か、ものすごい叫び声が聞こえたんですよね。



男性の声が。



夜中に」



ーー事件の匂いがプンプンするとは。



どんな街なんだここ………。




「確か椎名さんが亡くなられた三日前というのですかね?


教授ーーこれは重要な証言では?」




「たしかに有益な情報だな。


勇斗くん、どう思う?」


「ここの街綺麗だよねー」


最悪な会話だ。



「あの……本当に貴方方は、刑事なのですよね」



「え……あぁ。


ちょっとした、変人刑事として有名なんです。


俺達」



こんな苦しい言い訳をする日が来るとは。



「え……うぉっほん!!


他に、この街で変わったことはありますか?


住人として」



「走り去る足音がその後聞こえて、車のエンジン音がしたんです。


その方向を見るとーーこの「エンド」の方向でした」



ってことは。



「エンドで椎名は殺された可能性が高いということだな」




「え!?


墓場で殺されたんじゃないの?!


刃物が付いていたんでしょ!?」




「傷っていうのは、後からでもつけられるだよ勇斗。


刃物で刺したからと言って、殺害方法が刺殺だとは限らない。


第一、顔に仮面を縫い付けたりさ。


体に穴が空いてボロボロになったりまで、相手を刺し殺すって事は。



一人だけじゃない可能性が高い。



手が込みすぎてるんだよ遺体の細工が。


そうでしょ?


教授」




「君も中々やるじゃないか。


成長したな。


勇斗くん、お兄さんとしてちゃんと彼を頼るんだぞ」



「はぁーい!!」



何だこの会話………。



困惑する住人を後にして。



本部長のもとへ向かう。



「宿題が……」と嘆いていたら「我慢したまえ」と教授に。



絶対に許さないからな。



「遺体に沢山の手形が検出されたよ。



被害者の椎名の体中にね。


人から殴られたあざがあったとは。


僕も想像できなかった。


んで、決定的な死因だがおそらくは窒息死。


首元を閉められて、殺されたんだ。


かなり強い圧力だったらしい。



手形もある」



「それは……一人だけですか?


首元にあったのがというのが」




「まぁ、そういうことになるな」



じゃあ、殺害当初には数々の信者たちに捉えられていた椎名。



周りを信者に体を押さえつけられ、首元を占める役の犯人に殺されたーーーというわけか。




その犯人さえ、分かれば………。



「だけども、おかしいな。



首元を締めた奴が、犯人だと決していい切れるのだろうか?



そんだけの結束力を束ねる中心人物がーー犯人なのではないのか?」




「んー?


それって、どうゆうことなのー?」



「確かに首元を締めた奴が犯人だというのは、法律上あってはいる。


だけども、集団で椎名に襲いかかってるって事実があるだろ?


その集団の中にリーダー的存在のやつがいたってことさ。


そのリーダー的存在のやつが、真犯人で椎名の事を裏で本当に憎んでる。


そうでしょ、教授」




「んー。


難しいな。


やっぱり、よく分かんない!!」




ーーなら聞くな!!






< 7 / 17 >

この作品をシェア

pagetop