海姫物語
大輝のことも受け入れて住まわせていた奥さんだけれど、その顔は仁王のように目がつり上がっている。
「どうしてここに戻ってきて海の家でバイトなんてしてたの?」
前に聞いた話だと、大輝の祖父母はすでに亡くなり家も人手に渡ったはずだ。
それならここに戻ってくる理由はない。
大輝にとっても忘れたい過去がある土地のはずだ。
「それは……どうしても、気になって」
「気になるって、なにが?」
つい、語気が強くなってしまう。
「事故に遭った子たちがどうなったのか」
大輝が消え入りそうな声でつぶやいた。
その言葉にエリクがついにキレた。
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