海姫物語
素敵な人たちを自分の大切な人たちにも紹介したい。
「あら、それじゃ大人数になっちゃうね。今から楽しみだわ」
奥さんが笑いながら目尻に浮かんできた涙を手の甲でぬぐう。
そうしていると白い車が近づいてきた。
中には運転席に座っているのは白衣を着た研究員のひとり。
そして後部座席に座っているのは……。
「姫奈!!」
停車した車から母親が飛び出してきて間髪入れず抱きしめられた。
「お母さん、苦しいよ」
姫奈は顔をしかめながらも嬉しそうに母親の背中に両腕を回す。
1年間会えなかっただけで、母親の体も細くなってしまったように感じられて涙が出た。
「エリクも、こんなことになってごめんね」
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