海姫物語
エリクは構わず上をむき、鼻の穴が見えるような角度になった。
「俺も姫奈と同じだ。人工的にエラを作ってもらった」
「へぇ? お前も?」
大輝が興味を示したように低い声を漏らす。
「あぁ。俺たちはふたりとも幼少期の事故で呼吸器が大きく破損した。それを治すために作られたんだ」
その言葉に大輝が一瞬なにかを考え込むように視線を彷徨わせた。
しかしそれもすぐにやめてエリクへと視線を戻す。
「それならどうして人工肺にしなかった?」
「人工肺と人工エラ両方がある。研究施設が海の上の島にあるからだ」
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