海姫物語
「なるほど。万が一この施設になにかがあっても、人工エラがあれば君たちふたりは助かる可能性が高くなるってことか」
大輝が納得したようにくくくと笑う。
「そこまで考えて研究するなんて、よほど自分たちの子供が大切なんだな? その子供たちが全国民の好奇の目にさらされてもいいのか?」
今度はふたりの父親に向けての質問だった。
ふたりは真一文字に口を引き結び黙り込んだ。
「行こう、姫奈」
次に口を開いたのはエリクだった。
エリクに手を繋がれたままだった姫奈は一歩また一歩と大輝に近づいていく。
それは確かに好きになった相手なのに、今ではとんでもない悪人にしか見えなかった。
「よし、こっちだ」
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