氷の法医学者と、秘密の共犯になりました
その時、私のスマートフォンが震えた。

現実に引き戻されるように画面を見ると、真鍋先輩からだった。

『新しい検案依頼。沢渡先生にも確認してほしい案件だってさ。今井、動ける範囲でいい。無理すんな』

私は画面を先生に見せた。

先生は一度、私の包帯を見た。

「君は休むべきだ」

「動ける範囲で、です」

「範囲の判断は俺がする」

「過保護です」

「合理的管理だ」

「そういうことにしておきます」

私は左手にまだ残る先生の温度を感じながら、少しだけ笑った。

事件が一つ終わっても、世界は続く。

新しい検案依頼も、誰かの涙も、死者の声も。

でも、もう先生と一緒にいる理由を事件だけにしなくていい。
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