シークレットボーイズ

ぱくぱく、もぐもぐ…

何でこの子と並んで静かに飯食ってんだ僕?

「…あー…のさぁ…」

さすがに苛立ってきて眉を寄せてその子を見るとその子はにこにこして俺を見ていた。

「キミ良い加減に…」

「私ですか!?あっ、私、牧野《まきの》です!牧野香織《かおり》です!テニス部です!」

「……。あっそう…」

「白井先輩は写真部ですよね!私、白井先輩が撮った写真見ました!!あんな素敵な写真撮れる男性ってかっこいいですよねぇ!!」

「別にかっこよくはないだろ…」

写真部に入ったのは写真が好きだからとか特別な理由はなくて、部員が少なくて比較的寡黙で大人しい奴らしか居ない地味で目立たない部だったから、殺し屋である自分が普段普通に生活するにはちょうど良いと思ったからだし。

かっこいいだって?意味が分からない。

別に面白い話し何ひとつした覚えなんてないのに牧野さんは楽しそうにしながら僕をじっと見つめていた。

「…何で笑ってるんです?」

「楽しいからです!」

「は?何が?そろそろあっち行ったら?」

少し離れた向かいの方のベンチで牧野さんと同じくらいの若い女の子達がきゃっきゃっ話してる方を指差すと「白井先輩と話してる方が楽しいです」と牧野さんは言って ジャケットのポケットに入れていたらしいピンクの銀紙に包まれたチョコを出してそれをぽいっと口の中に入れた。
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