麗しの桃は攫われる〜狼獣人の番は甘い溺愛に翻弄される〜



「.......大丈夫。なんともないわ。花を見ていただけだもの」




「.......そうか。......キツく言ってすまなかった」





 モモネリアが無事だとわかると冷静になったのか、今度はリードネストがしゅんとして、謝ってきた。



 モモネリアはふるふると首を振る。


 確かに、旅先で女性がひとけのないところで一人になるのは危険だと自分でもわかる。



 たまたま何もなく無事だったが、悪いことを考える者に狙われていた可能性だってある。




 普段から、心配症で過保護なリードネストがどれほど肝を冷やしたか想像に難くない。




 モモネリアを大切に思うが故の叱責であることをひしひしと感じるのだ。
 謝ることなどない。




「ありがとう、リード。あなたの言うことはもっともだわ。次から十分注意する」




「......あぁ、そうしてくれ」




 リードネストはふっと肩の力を抜き、微笑んだ。



 モモネリアも、つられて笑顔を見せる。



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