麗しの桃は攫われる〜狼獣人の番は甘い溺愛に翻弄される〜
「じゃぁ、俺たちは部屋に戻る。夕食の時間に呼びに来るから」
「.......はぁい」
色々考え込んでいるうちに、二人の話に決着がついていたらしい。
まぁ、ローネルも倒れるほど疲れていたのだ。
一人きりの方が、気が休まるだろう。
そう納得して、モモネリアはリードネストに手を引かれるまま隣の部屋に戻った。
部屋の扉が閉まった後、広いベッドの真ん中でボフッとあぐらをかいて座ったローネルは誰にも聞こえない小声で呟く。
「.......今は一人で過ごすことにするよ。今は、ね」
窓から差し込む西日だけが照らす室内はオレンジ色に染まっている。
ローネルの綺麗な面立ちには影が落ち、薄気味悪ささえ感じられたーー。