麗しの桃は攫われる〜狼獣人の番は甘い溺愛に翻弄される〜
モモネリアは、ふっと覚醒した。
どうやらまたあの夢を見ていたようだ。
この夢は幼い頃からよく見る夢だ。
誰かに呼ばれている声が聞こえて、振り返ると先ほどの男の子と女の子が寄り添っているのだ。
そして、決まって最後に男の子が言った言葉は、途切れ途切れで聞き取れない。
何度見ても同じ内容で、さすがにここまで何度も見るということは、何か理由があるのだろう。
「一体、なんなんだろう」
そういえば、リードと出会ってからはしばらく見ていなかった。
この国に来てから、再び夢を見るようになった。
関係があるのだろうか。
「夢.....なのに、ひどく臨場感があるというか.....。夢なのに実際に体験したことのように感じるのよね」
そこまで考えてもさっぱりわからずモモネリアは、枕に顔を押し付けた。
「......モモネリア?どうした?」
パッと顔を上げて声のした方を見ると、リードネストが心配そうに眉を下げ、モモネリアのもとへと駆け寄ってきていた。