麗しの桃は攫われる〜狼獣人の番は甘い溺愛に翻弄される〜
時折、波打つ水面。
光を反射して金や銀に似た月光が優しい桃色と混じり合う。
涙が溢れそうになるほど、眩い光景。
思わず立ち上がり、湖に小走りで近づいた。
リードネストが、そっと隣に寄り添って彼女の腰を抱く。
うっとりと湖を見つめ、動かないでいると、おもむろにリードネストがモモネリアの前に跪く。
彼女の細く華奢な手をとり自身の額にあて目を閉じた。何かを、懇願するみたいにーーー。
ゆっくり、ゆっくり、顔をあげたリードネストが、驚いて固まるモモネリアに優しく笑いかける。
そして、笑みを作っていた唇が、柔らかく甘い声音で囁いた。
「.......結婚しよう、モモネリア。俺の全てをかけて、お前を幸せにしたい。だから......俺の生涯の宝物になってくれないか?」
「..........っ」
モモネリアは、ぷるぷると小さく震えた。
それから、顔をくしゃくしゃにして、泣き笑いを浮かべる。
「.....はい!私こそ....あなたの隣で、幸せになりたいわ。もちろん、二人でね」
「......モモネリア!あぁ.....二人で。.....二人で、幸せになろうな」
リードネストがモモネリアを抱きしめた。
強く、強く、苦しいくらいに。
モモネリアは、少し息がしづらくても、これが現実なんだと実感して、さらに嬉しくなったーー。