麗しの桃は攫われる〜狼獣人の番は甘い溺愛に翻弄される〜
「......なぁ、モモネリア。おまえとまた出会えてよかった。.....出会えた時、まだ俺は前世の記憶を思い出していなかったけれど.....今世では君を救えた.....同じ後悔を繰り返さずに済んだ......。そう思ってもいいか?」
「......えぇ、もちろんよ.....!あなたのおかげで、今世の私は、生きているわ。......愛するあなたのそばで.....とても幸せよ、リード。.....ありがとう」
どちらからともなく抱き合って、愛を囁き合う。
「モモネリアとまた出会えて、恋人になれて、俺はこの上なく幸せだ」
リードネストが、モモネリアの後頭部に手を回し、お互いの額をコツンと合わせる。
視線が交わる。
今、この場所に二人で戻ってこられたことに感謝して、微笑み合った。
「.......私も。すっごく幸せ」
「.......モモネリア」
リードネストの指が、モモネリアの頤にかかり、上を向かせる。
リードネストの綺麗な形の唇がふわりと近づき、優しい優しいキスが幾度となく降ってきた。
いつの間にか、満月は空高くのぼり湖にはっきりとその姿を映し、二人を見守っている。
その時、月あかりに照らされた湖が、キラキラと発光し始め.......。
「.......!?」
「.....はは、驚いた?」
リードネストは、イタズラが成功した子供のようにニタリと嬉しげな笑みを浮かべる。
モモネリアは、目をいっぱいに見開き、口を手で覆った。
「........桃色?......とても綺麗な.....穏やかな色」
「......美しいな」
そこには、淡い黄色い月を映しているはずの湖が、全く異なる......淡く穏やかな色合いの桃色に輝く姿があった。
それは、天使が舞い降りる場所のように神秘的で.......心を癒すーー。