麗しの桃は攫われる〜狼獣人の番は甘い溺愛に翻弄される〜





『なにしてるの?』




「.......夢を見せてるの」




『......なんの?』




「.....あなたと彼の前世の記憶」




『....ど、どうして.....?そんなことしたら....あなたが』




「いいの。私は、ここでずっと眠ってるから。眠ったままで、いるから」




『でも.......っ』




「ふふ、ね。だって、あなたが目覚めなくっても、モモネリアはちゃんと彼に惹かれているわ。あなたの“唯一“の彼に」





『...........』





「だったら。......私は、ここで眠ってなきゃ。.....だって、私は、カレンだけど.....今はモモネリアだもの。あなたと私で、一人のモモネリア。モモネリアが幸せを感じて.....中にいる私も、幸せなんだもの」





『........カレン』




「......でもね。きっと、もうすぐ私の“唯一“も迎えにくるわ。......彼、必ず約束は守ってくれるの。......だから、教えておかなきゃ。モモネリアと彼に、“あなた“のこと。....あなたの“唯一“のこと」




『...........』




「私は、目覚められないから。......ロイドに......わかってもらわなきゃ。........モモネリア(カレン)は、一緒に行けないこと」




『............ぐす』





「.......泣かないで?私、幸せよ?......だって。私は、モモネリアでもあるから。モモネリアが笑っているから」




『.............』




「.......でも」




『...........?』




「......ううん、なんでもないの」







 ねぇ、ロイド。



 「人を大切にするカレンが好き」って言ってくれたあなたなら。



 きっと、笑ってくれるでしょ?



 いつもみたいに。私の大好きな笑顔で。




 「やっぱり。カレンはおっちょこちょいだなぁ」って。







 .......もし、ワガママがひとつだけ許されるなら。



 どんな形でもいいから。




 今世でも、あなたと......一緒に居たかったわ.....。




 ロイド......大好きよ。




 愛しいロイド.....。





 どうか......笑って......幸せになってーー。














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