麗しの桃は攫われる〜狼獣人の番は甘い溺愛に翻弄される〜
「.......モモネリア」
自分の名前を呼ばれてモモネリアは、犬を凝視する。
間違いない。確かに、ローネルだ。
「......ローネル、久しぶりね。.....その姿、一体どうしたの?」
しばらく言葉に迷っていた彼は、意を決して話し出した。
モモネリアに自分の気持ちを押し付けていたこと。
心から謝罪しに来たこと。
そして、またモモネリアのそばにいるために、『禁術』を使って動物に姿を変えたこと。
そして、許されるなら、これからはモモネリアの“友人“としてそばに居たいこと。
「この姿なら、リードも、モモネリアのそばに居てもいいって言ってくれるんじゃないかと思って」
話しを聞くうちに、もともと大きなモモネリアの目はさらに溢れんばかりに見開かれていく。
モモネリアの頭の中は、フル回転で忙しく動き回っていた。
そんな様子をリードネストが、見逃すわけがない。
「.......もしかして、ローネルにここにいてほしいのか?」
「........っ!?......ど、どうして!?」
「.......はぁ。......お前のことは、なんとなくわかる。お前のどんな表情も、見逃したくないからな」
「.........」