麗しの桃は攫われる〜狼獣人の番は甘い溺愛に翻弄される〜


 モモネリアは、「......うっ」と唸って、眉尻を下げた。

 その目でみられると、なんとかしてあげなきゃ、という気になってしまう。


 番としてはそばにいられないが、ローネルは親友だ。

 さらに言えば、ローネルのおねだりにモモネリアは少しばかり弱い。

 とにかく、落ち着こうとモモネリアは手元のグラスを口に運んだ。

 モモネリアは、リードネストに言われてお酒はのませてもらえず、淡い桃色の甘酸っぱいジュースを飲んでいる。


 皆とお酒をのみたいとお願いしたのだが、何故かリードネストが渋い顔になり、モモネリアのおねだりに弱いはずの彼には珍しく、いくらお願いしても許してもらえなかった。


 モモネリアは、一度リードネストと二人で、部屋でお酒をのんだことがあった。

 その時にどうやら、やらかしているみたいだが、本人に記憶はない。


 何度か尋ねても、リードネストは教えてくれなかった。

 ただ、そんなに迷惑をかけたわけではないのか、「二人だけの時にお酒をのむのはかまわない。むしろ、大歓迎だ」と嬉しそうに言われた。


 首を傾げながらも、彼女はそれ以上追求しなかった。

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