麗しの桃は攫われる〜狼獣人の番は甘い溺愛に翻弄される〜
「.....失礼する」
パタンと静かに音をたててドアが閉まると、モモネリアは俯きがちに視線を伏せ、リードネストをソファへと案内した。
クリーム色の革張りのソファは、控えめにレースの柄が入っており、モモネリアの好みに合わせてリードネストが用意したものだ。
モモネリアはベルを鳴らして侍女のハルカを呼び、紅茶を用意するよう頼んだ。温かい紅茶を淹れ主人たちの前に丁寧に置くと、ハルカは静かに退室する。
向かい合わせに座った二人の間に、重苦しい沈黙が流れる。先に口を開いたのは、リードネストだった。
「......久しぶり、だな。会えて、嬉しい」
明らかにぎこちなくそんなことを告げるリードネストに、モモネリアはまた泣きそうになった。