麗しの桃は攫われる〜狼獣人の番は甘い溺愛に翻弄される〜


 ......なんで、そんな固い顔するの?


 ......この間まで、もっと柔らかく笑ってくれてたのに。

 .......さっきは、あの女性にも笑ってたのに。




「.......そうね」



 とても冷たい声になったことに自分でも驚いて、思わず口元に手をあてる。リードネストは、眉間に皺を寄せ、傷ついた表情だ。


 それでも、リードネストはモモネリアに話しかける。



「......その、さっき.....庭にいたか?」


「.....えぇ」



 モモネリアはなんと返事をするべきか悩んだが、嘘をつくわけにもいかず、そのまま返事をした。




「....そうか。やはりあれはモモネリアだったんだな。....俺の見間違いじゃなければ、泣いていたか?」



「.........」



「何かあった、のか?もし悲しいことがあったなら教えてほしい。お前のことは、俺が守る。何でもする。モモネリアには、笑っていてほしいんだ。....何があった?」



 返事がないことを肯定と受け取ったのだろう。
 リードネストは、そのまま畳み掛けるように言い募る。

 
 そんな優しい言葉をかけられたら、もっと惨めになる。



 .....じゃぁ、どうしてあの女の人と腕を組んでいたの?


 ......私に笑っていてほしいなら、私だけ見てよ。


 .......他の女性に笑いかけないで。




 また真っ黒い感情がドクドクと溢れ出してきて、蓋ができない。思わず、モモネリアはキツイ口調で問いただしていた。



「......じゃぁ、あの女性はなに?どうして、あんなに寄り添っていたの?私に笑っていてほしいなら、そんなこと....しないでよ!」







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