ハウスクリーニング山代には休みが無い

#10・明けない夜にさようなら

 真夜中、動物病院に着いた時には豪雨になっていた。

『…おめぇが爽ちゃん家に行ってすぐ倒れたんだ』

親父を待たずに車を飛び出しびしょ濡れになりながら「もこっ!!」と院内に入ると、待合室の椅子に座っていたお袋が「風ちゃんっ、パパ!!」と立ち上がった。

お袋はずっと泣いていたのか目が真っ赤になっていた。

「遅くなってすまん!もこは!?」

親父もやって来て尋ねると「今はまだ医務室に入れないそうですよ」と様子を見て来たらしい、お袋と一緒に居てくれてた柊紀が鷹紀と2人で待合室に戻って来た。

「“信じて待ってて”、だって」鷹紀が苦笑いした。

「お袋…もこ、何で倒れたりなんて…」

「分からないわ…。ただ触ったら凄く熱くて…う"っう"っ…」

「おめぇ、泣くなって!大丈夫だ!な?」

「貴方〜!」

お袋は親父にすがって泣き出してしまった。

「…くそっ…もこ!」

「フー太郎、しっかりなさい」

「そうだよ、フー太郎!信じよう?」

その時、医務室の方からピピピッと音が聞こえた。顔を上げるとシャッとカーテンを開けて獣医の山形先生が難しい顔しながら出て来た。
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