初恋の人がいきなり上司で、訳あり同居生活
ピカッ、ゴロゴロ。

先ほどまで霧雨のように降り続いていた雨が強くなり、窓の外に雷鳴が轟く。
マンションにたどり着くまで持ってくれてよかったと思う反面、表情を硬くする雄平を見て塔子は不安になった。
おそらく、雄平は雷が嫌いなのだろう。
周囲からの目もあっていつも冷静を装ってはいるが、雷が鳴ると雄平の顔色が変わる。

ピカッ、ゴロゴロ。

鳴り止むことのない雷鳴と雨音。
今夜はこのまま降り続くのかもしれないと思って塔子が窓の外を見た瞬間、部屋の中が真っ暗になった。

明るい室内から一変、暗闇に覆われてしまった室内。
周囲からの音もすべてが消えて、静寂に包まれた。

「雄平さん」

暗闇の中で動けば危険なのはわかっていて、それでも塔子は雄平の所在を確認しようと名前を呼んだ。

「大丈夫ですか?」

いつも冷静沈着で動揺なんて見せることのない雄平だが、いくら声をかけても返事が聞こえてこない。

「雄平さん、雄平さん」

何度も名前を呼びながら、塔子は部屋の中を伝い歩きして雄平を探す。
そして、リビングの壁伝いに部屋の隅までたどり着いた時、雄平の背中に手が触れた。

「塔子」

聞こえてきたのは、震えるように漏れた雄平の声だった。
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