初恋の人がいきなり上司で、訳あり同居生活
ブブブ。

食事もほぼ終わりかけたころ、雄平のスマホに着信があった。
それも仕事用ではなく、プライベート用のスマホ。

普段はメッセージやメールのやり取りが多い雄平に着信なんて珍しい。
そう思っていると、雄平は席を立ち書斎へと消えていった。

――何かしら?

こんな時、「どなたから?」なんて聞ける性格ならどんなにいいだろうと思う。
しかし、塔子にその勇気はない。
結局、10分以上経っても雄平は書斎から出てくる気配がなかった。
きっと込み入った話なのだろうと思いながら、塔子は自分の気持ちが沈んでいくのを感じていた。

――もしかしたら、雄平の気持ちが私から離れていってしまったのかもしれない。

実際、最近の雄平は仕事が終わった後でどこかに寄り道をしてくることがある。
そんなに遅い時間になるわけではないが、同じ会社で雄平の退社時間を知っている塔子には気になってしまう。
だからといって、塔子にはそのことに踏み込んで問いただす勇気がなかった。
雄平を失いたくないと思うからこそ、自分の気持ちを押さえてしまっていた。
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