仄暗いほど重たい愛 ~偽装妻ですが、冷血御曹司は手放す気がないようです~

ちなみにクラルテ内では、早くも“夜見社長が結婚した”という噂が流れ始めているらしい。

その相手が私だということを知っているのは、今のところ、柳さんを除いてあとは人事部のみだと聞いた。

統悟さんは『べつに隠す必要はない』と言っていたけれど、わざわざ言う必要もないかなと思い私は黙っているのだけど。


「ところで、どうですか? 統悟様との生活は」

にこやかに尋ねられ、言葉に詰まった。

───パーティーまでの一ヶ月。
夫婦としての同居が始まってから、早くも一週間が経とうしている。

初日にあれだけ心を乱されたのもあり、相当な覚悟をもって身構えていたのだけれど。
実際のところ……────

「それが……お互いに忙しくて、驚くほどすれ違っておりまして……」

「左様でございますか。たしかに統悟様は重要な案件を多く抱えておられますし、クラルテはクラルテで、シフトが不規則ですからねえ」

「はい……まさしくそうなんです……」

私はしょんぼりとうなだれる。
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