仄暗いほど重たい愛 ~偽装妻ですが、冷血御曹司は手放す気がないようです~

「すれ違った分を取り戻すためにも、今日から夫婦らしいことを本格的に始めていきたいんだが……」

彼はそう言いながら私の手からバッグを奪うと、玄関の棚にそっと置いた。
スマートな仕草にどぎまぎして、あまり話が頭に入ってこない。

「はい……夫婦らしい、こと……ですね」

「ああ。そのためにもまずは一緒に夕食でもどうかと思ってね。君の分も用意してあるから、着替えたらダイニングへおいで」

「……わかりました」

最後までぎこちない返事しかできなかった。

統悟さんの気配が離れたあとで、はあ、と盛大に息を吐く。
一週間まともに顔も合わせなかったと思ったら、まさかの展開。

……心臓にわるすぎる。


ダイニングテーブルには、ホテルのレストランかと思うほど丁寧に盛り付けられた料理が並んでいた。

彩りいっぱいのサラダに、ローストビーフに、温かなそうなスープまで……。

「手作りと言いたいところだが、コンシェルジュに手配を頼んだ。余裕ができたら、次は自分でも作ってみるよ」


“次”もあるかもしれないんだと、密かに期待して嬉しくなる。
自分の図々しさが憎らしい。
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