仄暗いほど重たい愛 ~偽装妻ですが、冷血御曹司は手放す気がないようです~
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「お疲れ様です。遅かったですね、残業ですか?」

広い玄関で、私はぽかんと立ち尽くす。

目の前には、ジャケットを脱いでネクタイを少し緩めた統悟さんが立っている。

「……っ、統悟さん? お、お疲れ様です。今日はどうされたんですかっ……?」

「この一週間あなたと過ごす時間がなかなか取れずにいたので、今日は急いで大きめの仕事をひとつ片付けてきたんです」

そう言って彼はにこりと笑ってみせる。

なんでもないことのように口にするけれど、あの“夜見社長”が抱える仕事かどれほどのものか、私はよく知っている。

そんな中、ふたりで過ごすための時間を無理して作ってくれたということ……?


うっかり泣きそうになるくらい、胸の奥が熱くなった。

「……っ、お忙しいのにありがとうございます……」

「これからはもう少し時間を取れるはずです。……そこで、ひとつ提案があります」

彼が一歩、距離を詰めてくる。

鼻先をかすめた甘い香りに、昼間はコンシェルジュとして保っているはずの平静はあっけなく揺らいだ。
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