仄暗いほど重たい愛 ~偽装妻ですが、冷血御曹司は手放す気がないようです~
✦ ✦ ✦ ✦


店員さんに手伝ってもらいながら着替えを済ませ、姿見の前に立つ。

「わあっ……」

着替えている最中まであんなに気が重かったのに、思わずそんな声がこぼれてしまった。

品のある透け感が、肌をひときわ明るく見せてくれている気がする。

少し動いてみると淡いアイボリーがふわふわと揺れて、おとぎ話の主人公にでもなったみたい。


「……すごく可愛い……」

「ええ、びっくりするほどお似合いでございます」

「……もうこのドレスに決めたいくらいです。統悟さんの……夫の意見も聞かなければいけませんが」

「ふふっ。それでは早速旦那様にお披露目に行きましょうか」


鏡の中の自分の姿に少しだけ自信をもらって、私はそっとカーテンを開けた。

店員さんが去ると、テーブルに座って待っていた統悟さんがこちらに気づいて顔を上げる。

次の瞬間、彼は手にしていたカタログを置くのも忘れたように固まってしまった。

深い瞳が、頭の先からつま先まで、じっくりと私の姿を捉えていく。
< 151 / 214 >

この作品をシェア

pagetop