仄暗いほど重たい愛 ~偽装妻ですが、冷血御曹司は手放す気がないようです~
✦ ✦ ✦ ✦
クラルテのエントランスを抜ける足取りは、自分でも驚くほどに早まっていた。
けれど、玄関をくぐっても、いつも帰宅と同時に出迎えてくれるはずの彼女の姿はなく。
「……理優さん?」
彼女の部屋の前まで行き呼びかけても返事はない。
慌ててスマホを見る。
彼女からの連絡の通知はない。
勤務時間は、とっくに過ぎているというのに。
────まさか事故?
────それとも、どこか体の具合が悪くなったかとか……。
真っ先に嫌な可能性が脳裏をよぎる。
いや、そんなはずはない。
彼女の勤務先はこのクラルテだ。
真っ直ぐに部屋に向かえば事故の心配はないし、体調を崩したなら真っ先に俺に連絡がくるはずだ。
リビングの扉が開いたのは、電話をかけようとスマホの連絡先をタップした直後だった。
「……あ、統悟さん。お帰りなさい」
そう言ってにこりと笑う彼女を見て安心したのかなんなのか、持っていたスマホが手から滑り落ちた。
「と、統悟さん……? どうしたんですか、固まって」
「……それはこっちのセリフです。どこに行っていたんですか、こんな時間まで」
その声は、自分でも驚くほど冷たく響いた。
すると彼女は視線を泳がせ、気まずそうに唇を噛む。
クラルテのエントランスを抜ける足取りは、自分でも驚くほどに早まっていた。
けれど、玄関をくぐっても、いつも帰宅と同時に出迎えてくれるはずの彼女の姿はなく。
「……理優さん?」
彼女の部屋の前まで行き呼びかけても返事はない。
慌ててスマホを見る。
彼女からの連絡の通知はない。
勤務時間は、とっくに過ぎているというのに。
────まさか事故?
────それとも、どこか体の具合が悪くなったかとか……。
真っ先に嫌な可能性が脳裏をよぎる。
いや、そんなはずはない。
彼女の勤務先はこのクラルテだ。
真っ直ぐに部屋に向かえば事故の心配はないし、体調を崩したなら真っ先に俺に連絡がくるはずだ。
リビングの扉が開いたのは、電話をかけようとスマホの連絡先をタップした直後だった。
「……あ、統悟さん。お帰りなさい」
そう言ってにこりと笑う彼女を見て安心したのかなんなのか、持っていたスマホが手から滑り落ちた。
「と、統悟さん……? どうしたんですか、固まって」
「……それはこっちのセリフです。どこに行っていたんですか、こんな時間まで」
その声は、自分でも驚くほど冷たく響いた。
すると彼女は視線を泳がせ、気まずそうに唇を噛む。