仄暗いほど重たい愛 ~偽装妻ですが、冷血御曹司は手放す気がないようです~
その日の夜。
力になれることはないかと悩んでいた矢先、ふと、ある可能性が頭に浮かんだ。
地主である父。その界隈の横の繋がりは深い。
記事で「非道な手段で奪われた」と記されていた再開発地区の中に、もしかしたら父の知り合いが責任者を務めている場所があるかもしれない。
そう考えるといてもたってもいられなかった。
スマホを開き、統悟さんが今まで非道な手段で買収したと言われている土地の住所、元の所有者の情報をひとつひとつ調べていく。
それから数時間後。
見覚えのある土地名がいくつか並ぶ中、私はついに探していた名前を見つけた。
────古鈴商店街。
……ここはたしか、お父さんの同級生の北口さんという人が振興会長をしていたところだ。
私は目にも止まらぬ速さで父に電話をかける。
「……理優か? こんな時間にどうした」
そう言われてはっと時計を見れば、時刻はもう午前2時を回っている。
「急にごめんなさい。……お父さんにお願いがあるんです……────」