仄暗いほど重たい愛 ~偽装妻ですが、冷血御曹司は手放す気がないようです~
「買収の価格だって、私たちの将来を案じて相場よりずっと手厚く提示してくれましたよ。それだけじゃない。店舗を移動する間も、営業が続けられるようにと仮設店舗の手配まで……。彼には本当に頭があがりません
北口さんの言葉がひとつひとつ胸にしみ込んでいく。
「北口さん、貴重なお話を聞かせてくださってありがとうございました」
帰り際、そう言って頭下げた私を、北口さんが「待ってください」と引き止めた。
「理優さん、僕たちにできるのことはありませんか? こんなデタラメを信じる人がいるなんて、僕たち商店街の人間こそが許せません。証言でも、実名での声明でも、必要なものはすべて用意します」
「……っ、ありがとうございます……っ」
溢れそうになる涙を堪え、私は深く頭を下げた。