仄暗いほど重たい愛 ~偽装妻ですが、冷血御曹司は手放す気がないようです~
「……ところで」
車が停車し、エンジンが止まる。
そのタイミングで、ひどく静かな声が落ちた。
「“俺のことを愛して結婚した”というのは、本当ですか」
────刹那、ばくんと大きく心臓が跳ねる。
……そうだ。
商店街の方々に協力してもらったあの記事を統悟さんが知っているということは、そういうことなのだ。
……どうしよう。
統悟さんの誤解を解くためについた嘘だと、誤魔化すこともできるのだけど。
伝えてしまったら、せっかく妻として迎えに来たくれたこの関係が終わってしまうかもしれないけれど。
それでも。
愛する人を目の前にすれば、理性はあっさり剥ぎとられていく。
「……ほんとう、です」
涙を滲ませながら答えた私に、統悟さんの目がわずかに見開かれた。
「っ、すみません、迷惑ですよねっ……」
顔を覆いかけた私の手を、大きな手がそっと制してくる。