仄暗いほど重たい愛 ~偽装妻ですが、冷血御曹司は手放す気がないようです~
──五十嵐くん。
その名前に、ぎくりと固まってしまう。
このあいだ自宅近くのコンビニで会って以来、五十嵐くんとはまともに会話ができていない。
やらなければならないことに追われて時間が取れなかった、というのは言い訳にすぎず。私は彼とのコミュニケーションを意識して避けていた。
伝えてくれた言葉にきちんと向き合いたい。
この気持ちに嘘はないからこそ、他の物事に忙殺されている中で片手間のように返事をするのはとても不誠実な気がしたのだ。
「……ねえ成田先輩? “アレ”についても早く返事してあげないと可哀想ですよー、五十嵐さんが」
「そうだね……。──って、えっ?」
はっとして彼女を見る。
まさか五十嵐くん、笹井さんに話して……。
「いやあ、べつに私は何も聞いてないですよ? でも見てたら察しがついちゃいますってフツウに」
「……フツウに、か……。あは、あ」
……おそるべし観察眼だ。
「さすがは私の自慢の後輩だね……」
ため息といっしょにこぼれた声に、笹井さんが得意げにふふっと笑う。
可愛い後輩の笑顔に免じて、近いうちに五十嵐くんとふたりで話す時間をつくろう
──と、このとき間違いなく決意したのだけれど。
その名前に、ぎくりと固まってしまう。
このあいだ自宅近くのコンビニで会って以来、五十嵐くんとはまともに会話ができていない。
やらなければならないことに追われて時間が取れなかった、というのは言い訳にすぎず。私は彼とのコミュニケーションを意識して避けていた。
伝えてくれた言葉にきちんと向き合いたい。
この気持ちに嘘はないからこそ、他の物事に忙殺されている中で片手間のように返事をするのはとても不誠実な気がしたのだ。
「……ねえ成田先輩? “アレ”についても早く返事してあげないと可哀想ですよー、五十嵐さんが」
「そうだね……。──って、えっ?」
はっとして彼女を見る。
まさか五十嵐くん、笹井さんに話して……。
「いやあ、べつに私は何も聞いてないですよ? でも見てたら察しがついちゃいますってフツウに」
「……フツウに、か……。あは、あ」
……おそるべし観察眼だ。
「さすがは私の自慢の後輩だね……」
ため息といっしょにこぼれた声に、笹井さんが得意げにふふっと笑う。
可愛い後輩の笑顔に免じて、近いうちに五十嵐くんとふたりで話す時間をつくろう
──と、このとき間違いなく決意したのだけれど。