仄暗いほど重たい愛 ~偽装妻ですが、冷血御曹司は手放す気がないようです~
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『成田さん、五十嵐広樹様がお見えになっております。エントランスへお通ししますか?』

ゲートスタッフから連絡が入ったのは、あれから間もなくのことだった。

柳さんに事情を説明し、許可を得てからコンシェルジュデスクを離れる。

私はまだ勤務中だ。
夜見社長の言う通り、本来なら私的な面会など控えるべき。

ただ、こんな時間に会いに来るということは、なにか急用だったりするのかも……。

そう考えると理由も聞かずに追い返すなんてことはできなかった。



「成田!」

目が合うと、五十嵐くんが急いだ様子で駆け寄ってきた。


「五十嵐くん、お疲れ様。どうしたの? こんな時間に……」

「成田のことが心配になってさ」

「心配?」

「そうだよ。三十分くらい前まで成田の家の前で待ってたんだけど、なかなか帰ってこないからどうしたんだろうって。残業ならこの時間もう電車ないし俺が迎えに行ってやらないとって思ったんだよ。けど、メッセージも既読付かないし、だったら直接行くしかないなって」

「……え?」


ぽかんと相手を見上げる。


「あ……、えっと、私たち今日会う約束とかしてたかな?」
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