仄暗いほど重たい愛 ~偽装妻ですが、冷血御曹司は手放す気がないようです~
「ふふっ、冗談ですよ冗談。さっきからしおらしい成田さんが可愛くて……ついからかいたくなってしまって。すみません」
……び、びっくりした……。
なんだそっか、からかわれただけか……。
冗談だとわかってもなお、心臓はバクバクと激しく音を立てている。
「あいにく社長は超多忙な身ですから。今夜も会食の予定が入っていますし、新婚初夜を甘く過ごす時間はなさそうです」
「そう、ですよね……」
沖野さんの言葉にどこかほっとしたような、それでいて胸の奥がちくりと痛むような、複雑な気持ちになった。
その時だった。
デスクの上に置いていた私のスマホが、ヴーッと音を立てた。
画面に表示された名前を見た瞬間、息が止まる。
────【 夜見 統悟 】