フィオナの運命
「フィオナ」

ルシアスはフィオナをひと目見るなり、頬を緩めて笑いかけた。

「どうしてそんなに可愛いんだ。参ったな……」
「はい? なにがでしょう」

キョトンとするフィオナに、ルシアスは真顔で答える。

「晩餐会には行かず、そなたを独り占めしたい。1時間くらいなら遅刻してもいいかな」
「いけませんよ! ほら、まいりましょう」

慌ててルシアスと腕を組んで身を寄せると、ルシアスは嬉しそうにフィオナの肩を抱き寄せた。

「フィオナ、愛してる」
「えっ、ちょっ、あの、いきなりなにを?」

フィオナは、後ろに控えているローラとユーリを気にして慌てふためく。

「いきなりじゃない。いつもどんな時も、そなただけを愛している」
「は、はい。分かりましたから、まいりましょう」
「フィオナは? そなたの気持ちも聞かせてほしい」

甘い視線で見つめられ、フィオナは真っ赤になった。

「あの、こんなところで、そんな……」
「では二人きりになれる寝室に行こうか」
「だめです! もう、分かりましたから。わたくしも、その、ルシアス様を、愛しております」

恥ずかしさにうつむきながら小さく答えると、ルシアスはクスッと笑ってからフィオナの耳元でささやいた。

「ありがとう。可愛い俺のフィオナ」

さり気なくチュッと頬にキスを落としてから、ルシアスは涼しい顔で歩き始める。

フィオナは顔を上げられずに、ルシアスに寄り添ったまま手を引かれていた。
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