魔法学校☆アルミラージ
いったい自分の何がダメなのかさっぱり分からず少し苛立ちながら音楽室を出ると「お利口さん過ぎんだよ、お前の歌もダンスも」と声が聞こえてきた。

顔をあげると頭の後ろで腕を組んで廊下の壁にもたれていたオーブリーがそこには居た。オーブリーはリュカの後に個人試験だったので自分の番を待つ間 音楽室の廊下の小窓からこっそりリュカのパフォーマンスを見ていたのだ。

「はぁ?」とリュカはオーブリーを睨んだ。

「優等生過ぎるって言うの?お前の歌もダンスも まるで教科書通りで真面目過ぎて全く面白さが無ぇんだよ」

「俺は言われた通りに課題をこなしただけだ」

「だぁからそれがつまんねんだって。ただ分量通りに焼いたパンケーキをそのまま食うより バニラアイス乗っけてみたりチョコソースだカラフルシュガーだって自分が食いたいように好き勝手自由に乗っけて食った方が何倍もパンケーキって美味くなんだろ?」

「何が言いたい?」

「お前は何も手がつけられてない飾りのないただのパンケーキだって言ってんの」

オーブリーはそう言うと上着のポケットから何かの紙切れを取り出すと「これやるよ」とリュカに渡してきた。

紙切れには 《夕方4時20分・ザッハトルテの店》と書かれてあった。

「なんだよこれ?」

「俺の兄貴その店のオーナーやりながら、その店で毎週金曜の夜だけ歌いながらダンスパフォーマンスやってんだよ。俺も自分の歌とダンスの技術磨くために兄貴達に頼んで混ぜてもらって毎週金曜だけ踊らせてもらってる。もし気が向いたらお前も来いよ。多分兄貴の事だから混ぜてくれって言ったら喜んでOK出すと思う。だけど最初に言っとくが、兄貴達と一緒の舞台に立つなら今みたいなお利口さんのままじゃ駄目だ。来るかどうかは強制しない、お前が好きに選べ。でももし今の自分の殻を破りてぇって言うなら来てみるかいはあると俺は自信持って言える。…俺が自分に自信持って踊れるようになったのはここへ行ったからだからな」

「お前うちのクラスの事嫌ってるんだろ?なのに何でこんな事するんだ?」

「やる気がない奴は確かに嫌いだ。だけど同じ夢に向かって努力してもがいてる奴は嫌いじゃねぇ、ただそれだけだ」

オーブリーはポンとリュカの肩を叩くと「2年2組オーブリーです。宜しくお願いします!」と音楽室に入って行った。
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