先輩、好きです。




入出のように明るく勢いがあるわけじゃない。



それでも彼のプレーには不思議と目を奪われる。




休憩のタイマーが鳴り、部員たちが次々とコート脇に集まって水分補給する。


一人ひとりにボトルを渡していると、矢吹と目が合った。




相変わらず、きれいな顔をしている。




切れ長の目、まっすぐ通った鼻筋、薄い唇。

体の出来上がっている上級生と比べるとまだ華奢だけど、背も高いし、手足もしっかりしている。



練習中も遠巻きに眺める女子がちらほらいた。

それでも直接話しかけてくる子がいないのはやっぱり、表情が読めなくて、冷たい印象があるからなんだろう。



私も矢吹とはまだ話したことはないけど、話してみれば意外とフレンドリーでいい子なのかもしれない。




同じ部の後輩だし、これを機に仲良くなれたら────。




私は胸の内に残る高揚感を悟られないように、できるだけ平静を装ってボトルを差し出した。
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