先輩、好きです。
「さっきのプレー、すごくよかったよ」
胸の内に残る高揚感を悟られないように、できるだけ軽い調子で声をかけてボトルを差し出す。
まだ会話をしたことはなかったけど、他の部員たちが言うほど無愛想ではないと思っていた。
「…はあ、どうも」
けど、矢吹は小さくそう言うと、それきり。
表情も変えず、抑揚のない声のまま、ボトルを受け取ってすたすたと壁際へ歩いて行ってしまった。
私、今――――褒めたよね?
さっきのプレー、すごくよかったって。ちゃんと言葉にして伝えたよね?
それなのに、あの素っ気なさ。まるで、部活の連絡事項でも聞いたみたいな反応だった。
ありがとうのひと言も、笑顔のひとつもなし。
ほんの少しでも嬉しそうにしてくれたら。
とか、ちょっとでも期待した私がバカみたいじゃない。