Toxic・Romance

片桐馨は溺愛した

「(今日のデートも楽しかった……!)」

 車の助手席。運転席を見ればいつみても麗しい片桐さんの横顔がある。

 ちなみに今日は片桐さんの家に置く用のパジャマを購入した。前回、パジャマを買いに行くと確かに話したけれど、結局あの日は…………いろいろあって……そう、片桐さんが二回目、三回目をねだるから、外に出る雰囲気じゃなくなったので……回り回って今日になったのだ。いい加減、家出荷物はつらい。

「ゆーゆちゃんはどうして俺の家に物を置かないの?」

 そう、片桐さんの疑問から派生した買い物だった。

「だって……」

 なぜ、と言われて咄嗟に口を噤んだ。

 ……別れた時、つらいから。

 ──「……だって、なに?」

 そんな私の裏側を覗くように、片桐さんは催促するから、あわてて「えっと」、「その」と、言葉を拾いあつめるけれど、最適解は見つからない。

 片桐さんは頬杖をつきながらため息をひとつ吐き出すと「きめた」と決意を口にした。

「じゃあ、今度の休みはパジャマを買いに行こう」

「わ!いいですね!一緒に選ばせてください!」

「買うのはゆーゆの」

「え!?私の!?」

 ということで、目的は私のパジャマという休日の午後。
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