Toxic・Romance
「楽しかったよ。楽しかったけど、俺が思っていた飲み会と差異があって、腑に落ちない部分はあったかも。隠してたつもりだったけど、ごめんね」
片桐さんは申し訳なさそうに眉を下げた。片桐さんが謝る必要はちっともないとおもう。
「聞かされていなかったんですか?」
「そんなとこ。でも心配するようなことは何一つないから」
そうは言っても、感情の切り替えが上手な片桐さんでさえ、顔に出るほどの”何か“があったということの何よりの情報だ。
「……あの、私が馨さんに出来ること、何かありますか?」
「さっきしてもらったよ」
「(さっき……?)」
思い当たることは、出迎えた時のハグ。それとも、このカレー?どちらにせよ片桐さんのためになったならば光栄なことだ。しかし、すっきりと飲み込めない。
こういうことは、本人に直接言わない方が良いのかもしれない。
「片桐さん、私実は、片桐さんが家に来てくれる度に毎回戦ってるんですよね」
こっそりと秘密を打ち明けると、カレーを食べながらも片桐さんは、眉間に皺を寄せた。
「じゃあ、今のこの状態も戦闘中?」
言葉にするとかなり頓珍漢だ。けれども本当のことなので、こくりと頷いた。