キレイな星が見えるトキ。
無残な現実の牙、


「あれ?フクチャン!」



海岸に行くとさっき別れたフクチャンが立っていた。




おー椿かぁ、なんて言いながらあたしには目を向けず海の向こう側を見てるフクチャン。





「…お仕事は?」



「…勤務は夕方までだから大丈夫。」




………さっきまで海岸にいたってことはほとんど仕事してないじゃん。




そんな事を思いながらフクチャンを見ていたら、突然目があった。




「椿どうしたの?」



質問の意味を理解するまでに時間がかかる。



フクチャンは、基本的に主語がない。しかも、話は唐突に始まる。




理解したあたしは答える。




「急にお客さんが来ることになったから迎えに来たの。」






そうか、なんて言いながら相変わらず海を見てるフクチャン。
質問したのはあんたなのにちゃんと聞けよ!


心の中で毒づく。







「あっ!船来たっ!」










しばらくして降りてきたのは、若い女性。



多分この人がお客さんで間違いない。




近づこうとした矢先、女の人がこっちに気づいた。






「崇くん!!」






………えーっ!!!!





フクチャンに目をやると、手を振っていた、
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