一等星センセーション―日陰女子、イケメンアイドルになります!?―

んん、でもなんかしっくりこない。

実力示さないとなのはわかるんだけど、“わからせる”みたいなスタンスに違和感があるのかな。



「また難しい顔してんなー。なに?モヤってるなら言いなって」


ゔ、私って顔に出やすいのかな。
南には、すぐバレる。



「え、と。俺たち、あの3人と仲間になりたいんだから……
だから、対決!ってバチバチするより、仲良くしようよってコンセプトでやってみたらどうかというか……」



すごく幼稚でぼんやりとした表現しかできなかった。
南もぽかんとしてる。



でも、この人ツボが浅い。
また大口開けて噴き出した。



「わはっ!仲良くって、幼稚園児かよ!」

「……やっぱそうだよね。ごめん、他にいい表現思いつかなくて……」


もう恥ずかしくなってきた。


けらけらと笑い転げる南を遠い目で見ながら、自分の発言をちょっと後悔した。


スタジオに南の笑い声が充満したんじゃないかって頃。
ふぅっと息を吐き出した南の微笑みが、大人っぽく真面目な雰囲気に変わった。


「あー。おっかし。
でも、その通りだよな」


ポン、と私の頭に手を乗せる。
室内の空気がちょっと変わった。


「俺らはアイツらと敵対してるわけじゃない。
実力を認めさせるだけじゃ足りない。一緒にやっていきたいんだって伝わんなきゃダメだよな」


南の唇がより大きく弧を描く。
射抜くみたいな引力のある瞳に、ごくりと息を呑んだ。


「仲良し作戦。いーじゃん、それで行こーぜ」


ドクン、胸がひとつ鳴る。


現在AM 8:45

タイムリミットは、刻一刻と迫っている。

< 36 / 44 >

この作品をシェア

pagetop