一等星センセーション―日陰女子、イケメンアイドルになります!?―

「ごめん……!音程安定してないよね。
振りも南と比べると見栄えしないし……」

「んー。まぁ、ちょっと?
てかなんかごちゃごちゃ考えながらやってない?表情もかったいし」


ドキーン。図星だ。


南の唇が「ん」と窄まる。
話せってことだ。


「……男子っぽい声になるように歌わなきゃとか、南に合うようにもっと全身使って踊らなきゃとか、その、いろいろ考えてます……」


だって、私には課題が山積み。
それを全部クリアしなきゃユウキ達と仲良くなる以前に、認めてもらえない。


失敗できない。
そう思うと、体がどんどん重くなってしまった。


口をまごつかせて俯く私を見て、すとん、と南は私の前に座り込む。


「一回なーんも考えずにやってみな」

「……え、でも」

「まぁいいから。俺しか見てないし。な?」


たとえ南1人でも、見られてることに緊張するんだけど。


頭ではそう思うのに、不思議と心は軽くなった。



南の目のせいだ。
優しく、見守るみたいに私を見上げてくれている。


正直まだ怖い、けど。



――まぁいいか。南の前だけでなら。



上手くいかなくたってきっと笑って、どうしたらいいか一緒に考えてくれる。

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