一滴ポーション、俺クマちゃん!?
光り輝く焦茶色の光沢に足と触覚を生やした そいつを見て虫嫌いな響が ぎゃあ〜っ!! と叫んだ。

そして俺は もふ〜んっ と軽快に宙を舞い 野菜の泥を落とすように使ってそのまま置きっぱにされていた八百屋の泥水の入ったバケツの中にお尻から突っ込んだのであった。

              ……ーーびっちゃびっちゃ べっちゃべっちゃ…

はっきりした記憶は無いが身体が覚えてる何だかうんと小さかった頃にお尻が濡れたなつかしい感触を思い出しながら 水が飛び散るお尻を振って歩道を歩いてると 通行人達が「えっ、ぬいぐるみが歩いてる!」と ざわざわ 騒ぎ出した。

「あっ、これ うちの会社で作った 試作品の歩くぬいぐるみロボットなんです〜!」

ムスッとしながら先を歩く俺の後ろで治が皆に にこにこ 言い訳し始めた。

「そうなんだ!すご〜い!可愛いっ、欲しい〜!でも何だか濡れてない?」

「あ、あぁ!さっきちょっと水たまりに躓いて転んじゃいまして〜!でも一応綺麗に洗っといたんで、汚《バッチ》くはないのでご安心を!」

公園の水道で適当にバシャバシャな。おかげで ぬいぐるみの中の綿まで水染み込んで尻《ケツ》だけ やけに重たいぜ。

「響、なんで もっと ちゃんと絞ってくんなかったんだよ?歩きにくいぞ」

「え〜?これでも結構絞ったんだぜ?お前の吸収力が良過ぎんだろ」

「俺が悪いって言うのかよ?尻が濡れたのも全部俺のせい…」

「あー、はいはい、悪いのは全部俺です。すいませんでした。謝ったんだから ちょっと黙ってろ。あんま喋ってると また誰かに聞かれるぞ?」

クソが。2人とも正直だから尻が濡れた俺を抱っこしたら服が汚れると思って歩かせやがって…。テディベアの歩幅と人間の歩幅じゃ全然違うから歩くの結構体力使うんだぞ?人間に戻ったら これでもかってくらい飯食いまくってやる〜〜〜!!
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