一滴ポーション、俺クマちゃん!?
………ーーーぱくぱく、むしゃむしゃ、ズズズッ…目の前でテレビで朝のニュース番組を見ながら朝ご飯を食べてる諗くんを諗くんの前にちょこんと座って見上げていると「こっち見んな」と指で ぽふんっ とテーブルの上に転がされた。

「ちょっと〜、一回転ぶと起き上がるの大変なんだから意地悪しないでちょうだいよ〜!」

もっふ もっふ 他のぬいぐるみと違ってヒツジは毛量が多い分ぬいぐるみと言えど身体が重たい。

「よっこらっせ……っと、わあっ!今度は後ろに倒れちゃった〜!ふえ〜んっ!!」

「きっしょ」

「きしょい って言うな!僕はキミのパパなんだぞ!?」

「あー、はいはい、そーでしたねー」

全く思ってない返事と考えられる。

可笑しいな…小っちゃかった頃は『パパ大好き〜!』って自分から僕に抱きつきに来たりして、僕が家に居る時は片時も離れようとしなかったのに、いつからこんな氷のような冷酷な子になっちゃったんだろう…?

う"…考え出したら悲しくなってきてぼろぼろ涙が溢れてきちゃった!

「…ひっく…ひっ…うえっ…え〜ん、うえ〜んっ!」

突然泣き出した僕を見て諗くんは ぶっ と白米を口から吹き出した。

「ちょっと、何で今度は泣いてんだよ!?やめろよ、息子の前で父親が泣くなんてっ!!」

「だってだって〜〜〜!」

「あー、今日 確か会社で大事な会議あるんだっけ?仲の良い同僚の山本《やまもと》さんに事情 説明して会議室のテーブルに置いといてもらったら?」

「それで泣いてんじゃないもんっ!」

「じゃあ何で泣いてんだよ?」

「教えな〜い」

ぷいっ と意地悪返ししてやったらイラッとしたのか諗くんは僕を指でつまんでベランダに追い出して窓の鍵をガチャっと閉めた。
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