『愛をください』─ 叶わぬ想い ─
46 ◇国産花火の美しさ


しんみりと感傷に浸っていたのだけれど、まだ花火が残っていることを
思い出した。
 
それで、今度はスーパーで買ってきてた線香花火の袋を開けた。

もう一度先ほどの感傷を味わえるものと期待に胸膨らませて……。



 ――が、ちっとも風流じゃないっていうか、余韻がない? 
っていう感じ。

何故なんだろう? 

いただきものの花火は高級なのか?

2つの線香花火の違いは、どこからきているのだろう。
いただきものの花火は、きれいな箱に入っている。
確かに高級感がある。

その箱には日本産と書かれていた。
そして、スーパーの袋を見ると外国産と書かれていた。

そっか、作った国が違ってたんだ。
花火はみんな、日本で製造されているものだとばかり思っていた。

これなら、いただきものの線香花火をあとからすれば良かったな。

日本人って何かと勤勉で手先が器用で、真面目で……物作りが上手いよね。
 
そんな風にいろいろな思いに囚われていると圭が言った。 
 


「おかあさん、花火きれいだったね」

「うん、そうだね」

「来年もまたしようよ!」

圭がいたく気に入ったようで、よかった。 

「悟はどうだった?」

「よかったんじゃない。まぁ、来年もやってもいいかも~」

「……」

「美代志くんも、また来年もいっしょに花火しよう?」

私は、花火をするということよりも、来年も再来年もその次の年もこの家に
ずって住んでていいんだよってことが伝えたくて、彼に声を掛けた。

「線香花火って、なかなかヤバいですね」

『う~ん、また難しい言い方だよね~』

「美代志くん、それって良くなかったってこと?」
と、圭がその言葉に食いついた。
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