『愛をください』─ 叶わぬ想い ─
50 ◇小指の意味
突然の孫の言葉に驚きをかくせない晴恵。
『やはり、自分は何か由香さんから嫌われるような失敗をしていたのだろうか……』
などの戸惑いがありつつも、晴恵は答えた。
「守れるわよ。何か知ってるのね。悟くん、教えてちょうだい」
「お母さんは、別におばあちゃんやおじいちゃんを嫌っているわけじゃ
ないと思う」
「なら、どうして3年も私たちに会いにきてくれないのかしら」
「たぶん――――お父さんが原因だと思う」
「正義が?」
悟はまた不思議なことを言うものだと、晴恵は訝しんだ。
そう思っていると突然悟が「これだよっ」と言いながら、小指を立てて
見せた。
あれまぁ、この子ったら~小指の意味、分かってるのかしら?
ついこの間生まれて赤子だった目の前の孫の口から、よもや『これだよっ』なんて
小指を立てられるとは……。
夢にも思わずなんとやらで……。
真剣な話をしていたというのに、可笑しさのほうが勝り、つい晴恵は
吹き出しそうになる。
こらえきれず、口元がにやけてしまった。
しかし、すぐに顔の表情筋を立て直し、真顔で同じように
ジャスチャーで返した。
「これっ?」と、悟に小指を立てて見せた。
そんな晴恵は、にやりとしたのを見逃さなかった孫から叱責される。
「おばあちゃん、笑いごとじゃないんだよ。父さんはイカれてるよ」
「悟ぅ、もっと分かるように話してくれない?」
「女だよ。家でもずっと会社の女とLINEばかりしてるさ」
「由香さんは、知ってるのね?」
「そうだよっ」
「それって、お母さんから聞いたの?」
「そんなこと、母さんが俺に言うわけないじゃん」
「じゃあ……」
「分かるんだよ。一緒に暮らしてるとさ。父さんとの関係は冷え切ってる」
「お母さんは、お父さんに文句言わないの?」
「言うこと聞かないんだよ、アイッが」
ここにきて、晴恵は息子の浮気が深刻な問題であることに気がついた。
それにしても、正義は自分の息子からアイツ呼ばわりされるほど、親としての
尊厳を失くしていることに気がついているのだろうか。
馬鹿な子だ。
突然の孫の言葉に驚きをかくせない晴恵。
『やはり、自分は何か由香さんから嫌われるような失敗をしていたのだろうか……』
などの戸惑いがありつつも、晴恵は答えた。
「守れるわよ。何か知ってるのね。悟くん、教えてちょうだい」
「お母さんは、別におばあちゃんやおじいちゃんを嫌っているわけじゃ
ないと思う」
「なら、どうして3年も私たちに会いにきてくれないのかしら」
「たぶん――――お父さんが原因だと思う」
「正義が?」
悟はまた不思議なことを言うものだと、晴恵は訝しんだ。
そう思っていると突然悟が「これだよっ」と言いながら、小指を立てて
見せた。
あれまぁ、この子ったら~小指の意味、分かってるのかしら?
ついこの間生まれて赤子だった目の前の孫の口から、よもや『これだよっ』なんて
小指を立てられるとは……。
夢にも思わずなんとやらで……。
真剣な話をしていたというのに、可笑しさのほうが勝り、つい晴恵は
吹き出しそうになる。
こらえきれず、口元がにやけてしまった。
しかし、すぐに顔の表情筋を立て直し、真顔で同じように
ジャスチャーで返した。
「これっ?」と、悟に小指を立てて見せた。
そんな晴恵は、にやりとしたのを見逃さなかった孫から叱責される。
「おばあちゃん、笑いごとじゃないんだよ。父さんはイカれてるよ」
「悟ぅ、もっと分かるように話してくれない?」
「女だよ。家でもずっと会社の女とLINEばかりしてるさ」
「由香さんは、知ってるのね?」
「そうだよっ」
「それって、お母さんから聞いたの?」
「そんなこと、母さんが俺に言うわけないじゃん」
「じゃあ……」
「分かるんだよ。一緒に暮らしてるとさ。父さんとの関係は冷え切ってる」
「お母さんは、お父さんに文句言わないの?」
「言うこと聞かないんだよ、アイッが」
ここにきて、晴恵は息子の浮気が深刻な問題であることに気がついた。
それにしても、正義は自分の息子からアイツ呼ばわりされるほど、親としての
尊厳を失くしていることに気がついているのだろうか。
馬鹿な子だ。