『愛をください』─ 叶わぬ想い ─
62 ◇断られる

アドバイザーの山本が頭を悩ませながらも鍋本に申し入れの話をし、
その返事をもらっていた頃……。

まほりは、山本からの知らせを毎日祈るような気持ちで待っていた。
その待ち続けた山本からのメールは週末に届いた。

『大丈夫、一度は私を推してくれていたのだから……
まだ、今交際している人との成婚は、確実じゃないのだから……
まだまだ私にもチャンスはあるはず、どうかどうか神様、お願いします』

まほりは、ずっと祈り続けた同じ文言を唱え、メールを開いた。

そこには、意訳すると──
『すでに、鍋本は相手と成婚前提の付き合いをしており、順調に進んでいるので、
自分(水島)との交際はお受けできないということだったと』そのような内容が
書かれていた。

一生懸命、神様に……天に……お願いしたというのに、ちっとも神様は
聞き届けてくれなかった。

あの時、鍋本の申し入れを受けていたら……という考えが、なかなか自分の頭から
消えてくれず、まほりは苦しかった。

今頃、成婚が整い、ふたりで婚約指輪を決めたりして幸せな時間を過ごしていたのかも
しれないと思うと、焦燥感に襲われ堪らなかった。

続きには、水島様なら次の回に参加すれば絶対良い方との出会いがあると思うからと、
予定表が入っていた。 

予定表を見ても、ちっとも気持ちは弾まず、参加する気にはなれなかった。

参加するにしても、しばらくの間インターバルを取らないと、なかなか
気持ちの立て直しが難しかった。

そして夜間に入ると寒さを感じるようになる10月が過ぎ──11月の立冬も過ぎゆき、
街並みも人々の装いもすっかり変わりはじめた頃、まほりはまた、結婚相談所の紹介を
頼ろうかと思えるようになっていた。





 

 
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