俺様辣腕社長の甘い執愛~マッチングアプリなんて信じません!~
 低く耳障りのいい声に、玲奈はハッとする。

(榊原社長!?)

 ちょうど彼のことを考えていたときに、向こうから電話がかかってくるなんてなんという偶然だろうか。

「急で悪いが、13階接客会議室に来てくれないか?」
「接客会議室? はい、すぐ行きます」

 玲奈は返事をすると電話を切る。

(社長から呼び出しなんて、びっくり! 先日飲みに行きましょうってお誘いした件、やっぱり気が変わっていく気になったのかも!)

 なんという渡りに船だろう。

 玲奈はカバンから手鏡とリップを取り出し、軽く身だしなみを整える。

(うん。今日も可愛いぞ、私!)

 メイクの出来栄えに問題がないことを確認した玲奈は、ご機嫌で会議室に向かった。

「社長、お待たせしました?」

 自分史上最高に可愛い笑顔でドアを開ける。すると、会議室の中には浩斗だけでなく、結衣、それに、別れたはずの智紀がいた。思わず「げっ」と声が漏れる。

「よく来てくれたね。彼がどうしてもきみに会いたいそうだ」

 浩斗は玲奈を見つめながらも、智紀のほうを指さす。
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