俺様辣腕社長の甘い執愛~マッチングアプリなんて信じません!~
3.お前といると…

3-1


 化粧室の鏡の前で、玲奈はリップの色を整えていた。
 光沢のある新色の赤が唇にのび、彼女は満足げに微笑んだ。

(よし、服もメイクも髪型も完璧! 今日も私が一番かわいい)

 そのとき、同期の女の子達がキャッキャしながら化粧室に入ってきた。

「ねえねえ、滝田先輩ってかっこよくない?」
「あー、わかる。背高いし、顔も整ってるよね」
「しかもT大卒らしいよ」
「えー、頭もいいんだ!」

 玲奈はチラリと鏡越しにその会話に耳を澄ませる。

(滝田先輩……あとで声かけてみようかな)

 ふと、会話に夢中になっていた同期のひとりと鏡越しに目が合った。

「そのリップの色、可愛いね」

 同期の視線が玲奈の口元に向く。

「ありがとう。先月出たばっかりの新色なの」
「へえ、そうなんだ。私も同じ色、買ってみようかな」
「うん、チェックしてみて」

 玲奈はにこっと笑って答える。

(あんたに似合うわけないじゃん。鏡見ろっつーの)

 玲奈は内心で舌打ちする。現実が見えていない女は大嫌いだ。

 化粧直しを終えて廊下に出ると、廊下の向こうに二人組の男性を見つけた。
 一人は、先ほど話題に出ていた滝田だ。

(早速見つけるなんて、ラッキー)

 声をかけようと歩み寄ったそのとき、滝田の声が耳に入った。

「横溝さんって、笑顔が可愛いよね」
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