MR(医薬情報担当者)だって恋します!
「私は鈴木さんを困らせてしまったのかしら。谷口とのことは話すんじゃなかったわ」
「私は夏目さんから聞いたことを後悔していません。その後の自分の行動は軽率だったとは思っていますが……」
私は夏目さんの目をしっかり見て言った。夏目さんは呆れたように息を吐く。
「本当ね。軽率過ぎるわよこれからどうするつもり?」
「谷口先生の無視には慣れました。腎臓内科の医局には行けなくなりましたが、他の科があるので他の科で頑張るしかないです」
私は努めて明るく言った。
「私と同じ状況ね」
夏目さんはもう何度目かのため息をつく。
「貴女がこんな目にあう必要なんてなかったのに……」
「馬鹿なことをしたとは思いますが、後悔はしてないので大丈夫です」
私はしっかり夏目さんの目を見て言った。
そんな私を見て夏目さんは思案するようにハンドルに目線を移した。
「何か困ったことがあったら言って。私のせいなのだから、協力できることはするわ。今の私にできることなんて限られてるかもしれないけどね」
「ありがとうございます」
私は夏目さんの車を降りて、夏目さんが帰っていくのを見送り、自分も車に乗り込んだ。